立会外分売
通常の株価より安く株を買えてさらに購入手数料までも無料なんて事があれば投資家としては嬉しいですよね!IPOも安く購入できますが、それ以外にもあるんです。
そんな事があるのかと思うかもしれませんが、実はそれこそが立会外分売(たちあいがいぶんばい)です。
立会外分売(たちあいがいぶんばい)とは
大株主が所有する株式を、証券取引所の取引時間外に売り出される取引の事を指します。特徴としては、通常で株式取引をするよりも、割引価格で買えることです。1株あたりの購入価格は、前営業日の終値から平均2%~3%ほど割安な価格が分売値段として設定されます。購入手数料も無料なので普通から考えればお得と考えられます。
購入方法
抽選となる為、購入できるとは限りません。
立会外分売をおこなう予定の企業や分売日は、数週間前~発表されるため、証券会社のサイトなどを常にチェックしておくといいかと思います。
基本的には、分売実施日の前日17時~当日8時まで抽選を受け付けています。
・注文受付時間は、分売実施前営業日の17:00~3:30、実施日当日の5:30~8:30です。 ・立会外分売で当選した株式は、通常実施当日8:50以降に 「保有株式一覧」画面に反映されます
ライブスター証券HPより
企業が立会外分売をする理由
目的は3つあります。
①指定替えを狙っている
指定替えとは所属市場の移動を指します。降格を指すこともありますが、上位の市場への昇格を指します。
東証2部、ジャスダック、マザーズの上場企業が行うパターンで、東証1部を目指す企業が行うパターンです。
東証1部昇格条件の1つとして株主が2200人以上いなくてはいけません。この条件をクリアしようとして企業は立会外分売を行います。
東証1部になれば企業のイメージも向上しますし、資金も流入しやすくなり株価も上がりやすくなります。
②流動性を高めようとしている
株を売買しやすくするためにおこないますが、流動性の高い銘柄は、投資家が狙った金額で売買することができたり、1度に大きい資金でも売買できたりしますが、流動性が低いと欲しい価格で売買できませんし、売買できる株数も限られてしまいます。
③資金調達や利益を得る為
大株主の親会社が、子会社の持株を市場で売却して利益を得たり資金調達する為に行いますので親会社にとってはメリットがあります。
その他、企業の将来性がなかったり、不安要素がある場合も社長や役員の大株主が下がる前に売ってしまおうという思惑がある場合もあります。
※①②の理由で立会外分売をしているのならいいのですが、③の理由には注意が必要です。
立会外分売のメリット・デメリット
メリット
・割引価格で前営業日の2~3%安く購入できる
・購入手数料が無料
・指定替えの可能性もあり株価が上昇が期待できる
デメリット
・抽選に当たるとは限らない
・分売後、購入価格より下がる可能性有り
立会外分売は結局いいのか
指定替えを狙っている企業であれば好材料なので買うのも良いかと思いますが、企業の大株主が売る目的で行っている場合は悪材料とみて買うのを控えるのがいいかと思います。業績も良くなく頻繁に立会外分売を行う企業には注意が必要です。企業のIRなどで確認を。
私が、何銘柄か検証したみたところ、立会外分売を発表して立会外分売が行われるまで株価が落ちていく銘柄のほうが多く、立会外分売後2.3営業日から上昇していく銘柄が下がる銘柄よりは多かった事が分かりました。
例えば、立会外分売をした銘柄を監視して業績やその他の指標もそれなりに良いのであれば買うのがいいかと思います。東証1部に指定替えが決まれば株価も大きく上がる可能性もあります。
もちろん、これらは私個人の考えとなりますので、投資は検証などしたうえで自己判断で行ってください。
参考にチャート貼っておきます。立会外分後上がった企業の例です
下のチャートはピーバンドットコム3559です
8月23日に立会外分売を行ってから株価は右肩上がりです
下のチャートは早稲田アカデミー4718です
矢印の8月27日に立会外分売を行いその後すぐではないですが、796円の株価が900まで上がっています。