有利子負債自己資本比率

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投資をするうえでよく聞く言葉として、有利子負債がありますが有利子負債が多ければその企業の経営状態が悪く倒産の危険さえあると思えてしまうかもしれません。有利子負債が多いといってもどのような基準で見ればいいのか?

それを見る為の指標として有利子負債自己資本比率(有利子負債比率)があります。

 

 

 

有利子負債とは

有利子負債とは、利息を付けて返す必要がある負債のことで、決算書に載っている数字と毎年の利息を支払う必要があります。

漢字の通りで、利子が有る負債です。
・金融機関からの借入金

社債

・コマーシャル・ペーパー
(短期で資金調達をするために発行する無担保の約束手形社債が1年以上に対し、コマーシャル・ペーパーは短期で返還する必要がある)
などで、大抵の企業は社債を発行していない為「短期借入金」「長期借入金」の場合が多いです。

一方で利子のつかない負債とは、

・買掛金

・未払法人税

・支払手形

等があります。

有利子負債は資金調達する為の借金という事で、利子のつかない負債は経営でまだ支払っていないお金という事になります。

貸借対照表の流動負債・固定負債の部分に記載されています。

 

有利子負債自己資本比率の計算式

有利子負債自己資本比率(%)=有利子負債 ÷ 自己資本 × 100

で表すことができます。

例えば

①有利子負債が30億  自己資本が60億の企業ならば

  30億÷60億×100=50%

 

②有利子負債が60億  自己資本が60億の企業ならば

  60億÷60億×100=100%

 

このようになりますが有利子負債自己資本比率だけ見れば①のほうが安全性が高いといえます。

 

有利子負債自己資本比率の目安

有利子負債は、利息が発生する借金となるので少ないに越したことはありませんが、一般的には100%以下が適正水準といわれています。中には、50%以下を安全と判断する投資家などもおります。

ですが、事業を発展させて行く為には自己資本のみでは足らず銀行からの借入金も必要ですので、100%超えていたとしても問題ない企業が多いのが現状です。

もちろん、業界やビジネスモデルによっても適正水準は違ってくるので、比べるのであれば同業他社を参考にするのがいいと思います。

 

企業の有利子負債自己資本比率

トヨタ自動車    101.4%

日産        150.7%

スズキ       27.9%

三菱自動車     27.2%

ユニクロ      50.5%

オリエンタルランド 13.5%

メルカリ      103.4%

資生堂       44.6%

日本たばこ産業   36.6%

武田薬品      110.9%

UUUM                          25.3%

ワークマン     2%

イオン       245.7%

MonotaRo                   6.7%

※2020年4月の楽天証券データを参考

このように有名なトヨタも100%を超えておりますし、現在好調なワークマンやMonotaRoは非常に低くなっております。

 

まとめ

有利子負債自己資本比率とは、企業の安全性をみる指標の一つで自己資本に対して有利子負債がどのくらいあるのかをみる事ができます。

有利子負債は漢字の通り利息が有る負債で少ないほうが安全と思われますが、企業を成長させていく為には、設備投資や新規出店などでどうしても有利子負債が必要といえます。

比較するのであれば、同業他社と比べてみたい指標であります。他にも見たい安全性をみる指標としては自己資本比率があります。

 

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